![]() 「紫の牛」を売れ! 妙見昌彦(2004年10月1日)
タイトル“「紫の牛」を売れ!”と本の表紙が紫色主体で、一時のGateWayのPCよろしく、紫の牛の模様です。写真に写っているのももちろん紫の牛、ご丁寧に本の栞ヒモも紫色です。 ここまでするのであれば、本文も紫のインクで、、、とも思いましたが、さすがにそれはなく、活字は黒色です。(…残念) まず、プロローグがあり、その中で何故、紫の牛なのか、、との説明が出てきますが説明すると“フランスをドライブ旅行中に高速道路のそばの草原に何百頭の牛が草を食んでいる光景をながめて、なんと美しいのだろうと驚嘆した…だが、20分もたたないうちに牛のことを気にとめなくなった) …中略… しかし「紫の牛」がいる。それなら興味をひくだろう”。 確かに、私もアメリカ旅行中、バスで移動をしていた時、朝から夜まで一日中牧場の中の高速道路を走っているのです。(その間ずっと、牛が目に入ってくるのですが、何とアメリカは広大な土地だなと思いながら) この著者のセスと同じ様に退屈してしまいました。 さて、本文へ戻しますと、大きく紫の牛が@〜Qまで紹介されていまして、それぞれの話しにおいての突飛なアイデアについて考察と共に説明してゆくのだがその中には、アメリカのすたれたモーテルの話しが出てくる、アイデアとしては壁の色を突飛な色にしただけでそこに人が集まりだし成功したというものだ。 やはり紫の牛であるから、色の話しを引合いに出しているのが面白い。 順は前後するが、プロローグ内にはマーケティングについての8Pが出てきます。(日本のマーケティングの大先生、水口健次先生は4Pマーケティングでした。ここでも代表的なものは、Product、Price、Promotion)これもよくいわれるものですが、ここに新たなP(紫の牛 Purple Cow)を入れて何故、何が常識破りかを述べているものです。 最初の方の章では、“ムーアのアイデア普及曲線”などと言う図が出てくるのだが、ここでむずかしい本だなぁと思ってはいけない。この後に、ハーゲンダッツであるとか、スターバックコーヒーの事例もあるのでその辺の身近に感じられるところから、読んでいけば退屈せずに読めるのではないでしょうか。 読み進んでいくうちに、急に “ほとんどの人はあなたの製品を買う事ができない。カネがないか、時間がないか、欲しいと思っていない。” などと、ドッキリする様な言葉も出てくるが、読めばなるほど、今の世の中は品物にあふれており、選択肢が広がり、もはやそれを選ぶ時間がないという事だ。 また、すでに作り出されて満足している市場では「アイデア・ウイルス」のネットワークは発火しにくいとも言っている。 その様な市場の中でも、「紫の牛」を見つけて、ヒットさせた事例を出して説明している。 また最後には“「紫の牛」度を飛躍的にアップさせる秘訣40”なるチェックリストがあり、これをチェックすることでマーケティングのヒントにつながると思われる。 私は“Cクレームを有効活用しているか?”という項目が、今話題の三菱問題の件もあり、これからはクレーム管理ができないと生き残れない様な感があり、キーワードとして取り入れている。 皆さんもどの様な「紫の牛」が見つけられるか、一度、この本を読んで見て、考えてみてはいかがでしょう? |